背景:予選制度とグループ構成
予選制度(CAF:アフリカ大陸予選)
今回のワールドカップは出場枠が拡大され、アフリカ(CAF)には 9枠 が与えられています。 CAF予選は「9グループ制」で、各グループの1位が本大会への直接出場権を得ます。 グループ2位のうち、成績上位4チームはプレーオフに進み、最終的にインターコンチネンタルプレーオフへの道を争います。
エジプトのグループ情報(グループ A)
エジプトは グループ A に属しており、このグループの構成国は以下:エジプト / ブルキナファソ / ギニアビサウ / シエラレオネ / エチオピア / ジブチ
このグループで1位になることが、最終的にワールドカップ出場を確定させる条件です。
予選戦績・過程:苦労と強み
エジプト代表が予選の道を歩む中で、強みとトラブルの双方があったことが報じられています。
強み・好調な試合
2025年3月、エジプトは エチオピア戦(2-0) でサラーがゴールを挙げ、安定した勝利を収めました。 同じく 3月、シエラレオネ戦で Zizo の延長前半の得点により 1-0 勝利。これによりグループ首位を確保し、「5試合で5勝1敗なし」のような勢いを示しました。 予選を通じて、守備の堅さが強調されており、無失点試合が多かったと評価されています(複数の報道で言及)

トラブル・課題となった場面
2025年9月、 オマル・マルモシュ(Omar Marmoush) が対ブルキナファソ戦で前半9分に膝の靭帯を痛めて途中交代。診断では靭帯打撲とのこと。 そのブルキナファソ戦は 0-0 引き分け に終わり、勝利を逃したことで「出場確定にはもう少し得点を重ねる必要あり」という状況に。 引き分け後、エジプトはグループ首位ながらも勝ち点差的に余裕があったとはいえ、まだ完全安心とは言えない状態でした。 これらを踏まえると、予選途中までは比較的順調に進んだものの、ケガや引き分けなどの“足かせ”もあったため、最後の数試合で確実に勝利を取ることが求められていました。
⸻
決定戦:ジブチ戦で確定
2025年10月8日、エジプトはジブチと対戦し 3-0 の勝利をおさめ、グループ首位を確定させて ワールドカップ出場決定 に至りました。
試合詳細・得点者
試合はモロッコ・カサブランカで行われました(中立地開催) 得点は以下の通り:イブラヒム・アデルが先制点を挙げる 。モハメド・サラーが 14分と 84分に得点し、勝利を決定づけこの勝利によって、ジブチ戦を残して他チームが追いつけない差をつけ、出場を “数学的に” 決定しました。
出場回数について
この成功により、エジプトは通算 5回目 のワールドカップ本大会出場となったとの報道が一部あります(1934年、1990年、2018年、そして今回) ただし、過去に本大会で勝利を挙げたことはまだありません。

選手・監督の視点・反響
モハメド・サラーの役割と評価
このジブチ戦でも 2 得点を挙げ、決勝点を演出するなど、チームの中心選手としての責務を果たしました。 国際試合通算では 106試合に出場、61得点 を記録しており、エジプト代表における歴史的存在です。 ただし、クラブでは多くのタイトルを獲ってきた一方で、代表チームではこれまで大きなトロフィーを持ち帰れず、ワールドカップ本大会でもグループステージ敗退など苦い経験があります。 そのため、このワールドカップは、彼にとって “代表での大きな成功” をつかむ最後のチャンスとの見方もあります。
監督・チームの展望
監督 ホッサム・ハッサン(Hossam Hassan) は、かつて選手としても名を馳せた人物。今回の予選では選手起用や戦術面でチームをうまくまとめたという評価があります。 ハッサン監督は、代表選手としてワールドカップ出場を果たした経験もあり、指導者としてもその経験をチームに還元したいとの発言をしていました。 また、彼はサラーに対して「アフリカ・ネイションズカップ (AFCON) のタイトルも取るべきだ」とコメントしており、ワールドカップ出場に加え、大陸タイトルの獲得も目指しています。
国内・ファンの反応
サラーが帰国した際には、ファンが空港で熱狂的に出迎えたという報道もあります。 メディアやサッカーファンからは、今回の出場決定を「偉業」「歓喜」といった言葉で称賛する声が多く出ています。
引用